ポケットの中にはカセットテープだけ

テープが切れるまで、好きなことを好きなだけ書き綴っていければと思ってます。

夏陰 考察








1.キミと君とあなた

夏陰はこれまで出てきた777☆Sの曲の中で一番異質で物悲しい曲となっている。

これまで、ずっと背中を押してきた777☆SISTERS


H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-Aから一貫して歌詞に「君」が出てきており、誰かの為に背中を押してきた777☆Sらしい曲で、どれも元気が出る曲となっている。
(恋曲のSAKURAと、Show in “I Iove you''
Cocoro Magical は君ではなく、あなた。
キラチュナはあなたと、キミ)



H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A
もし「キミ」のそばで届いているのなら

KILL☆ER☆TUNE☆R
どんなって、こんなって、「キミ」の夢聞かせてよ

僕らは青空になる
動き出した夏は「キミ」と手を繋いでる

FUNBARE☆RUNNER
そっと「君」が隠した痛みに意味があるんだ

ハルカゼ〜You were here〜
忘れないで「君」の泪は


スタートライン
「君」だけのスタートライン

STAY☆GOLD
小さな「君」の手 ちょっとだけ気になった

MELODY IN THE POKET
誰より傍で「君」を見てきたんだ



夏陰は「君」でも、「キミ」でもなく、「あなた」となっている。
恋愛曲で「あなた」なら納得出来るが、
今回の曲は恋愛ではなく、夏の曲だ。
夏が終わろうとしている曲だ。

(同じく、皆んな笑顔にする最強アイドルグループセブンスシスターズの最初の想いの曲もSHも「君」となっている。
最初は「キミ」だった777☆Sがセブンスと肩を並べるように成長して「君」の唄を唄えるようになった…と解釈している。)


そう考えると、
「あなた」がいない夏の足音
という歌詞が不穏に思える。
ここでの「あなた」とは誰を指してるのだろうか?
トレイラーで映っていないのが、支配人、六咲コニーだ。
この二人のどちらか、若しくはどちらでも無いのか。
「あなた」とは限定的な人物、誰も指していなくて、単なる比喩なのか。


他にも、歌詞にDaydreamがあるが、白昼夢=昼に見る夢となっている。
という事は、そもそもこのエンディングテーマ自体が偽りで、夢なのではないか。
真のエンディングテーマの前振りではないのかと考えている。
実際のところ、「ねぇ、君は何がしたい?」のテーマのナナシスが このような重々しい雰囲気を残しながら終わるとは考えがたい。
あくまでエピソード4.0のエンディングテーマなので、ナナシス全体のエンディングテーマではないので、まだ残っているとは思うが、かなり挑戦的な曲だと感じた。


2.ジャケット


次に、注目していただきたいのが夏陰のジャケットイラストだ。


今までの7777☆Sはアイドルの衣装を着て、誰かの背中を押す為に唄って来た。
だが、今回夏陰のジャケットイラストは
皆んな制服の姿、素の姿だ。
誰かの背中を押すでもなく、ある夏の日常の断片を切り取ったようなイラストになっている。
トレイラーを見ると、胸が締め付けられ、至極不安に思えたが
背中を押してきたシスターズが、ようやく普通の少女になった。
と考えるとスッと自分の中で落とし込む事が出来た。

夏の終わりの感じさせる曲調から鑑みるに、シスターズ達の終わり。「あなた」との別れなのではないか?
──言えなかった言葉抱きしめたら
明日も奏でるよ─
言えなかった、〇〇出来なかった〜など後悔が残る歌詞となっている。
今までの777☆Sの歌詞は前向きな歌詞が多かったが、ここに来て後ろ向きの言葉が多く見られる。

ハルカゼ〜You were here〜
も「さよなら」の曲ではあるが最後には希望を空に飛ばす曲となっている
夏陰も同時に「さよなら」の曲であり、
転調など多くみられ、バラードにないにせよ、物悲しい感じになっている。


─いつの日か空に咲く(ハルカゼ)
─あなたのいない夏の続きを(夏陰)

歌詞を見ても分かる通り、
ハルカゼは前向きである。
夏陰は「あなた」のいない夏をこれから歩いていく、哀愁漂いながら先へ進んでいく
と、同じ「さよなら」の曲でここまで違うのだ。


3.夏のビードロ☆シンフォニーとの関連性

カップリング曲には「夏のビードロ☆シンフォニー」という夏らしい明るい曲がカップリングされている。
一見、この曲と夏陰が関連しているとは考え難いが、二曲とも最後まで聞いて欲しい。
夏陰は最後、ブッと
まるでテレビの電源を切るようにして終わる。
対して、夏のビードロ☆シンフォニーは
曲が終わって、直ぐに幕引きといった感じで直ぐに終わってしまう。
いつもの777☆Sなら余韻を残しつつ、
滑らかな音を耳に残して終わる。
といった感じだが、この二曲は曲が終わると同時に後ろの音楽も直ぐに終わりを告げる。
夏の終わりというのも表現しているのだろうが、
だとしても二曲とも余韻を残さずに終わってしまうというのが、いつもの777☆Sではなくて少し悲しく感じでしまう。
エピソード4.0自体が重くしんどい進みなので、仕方ないのかもしれないが
777☆Sにはいつものように元気いっぱい背中を押して欲しかったところだ。


4.夏陰の「陰」

夏陰はなぜ夏陰なのだろう?
夏影でもなく、夏陰なのだ。
陰=光の当たらないところ、遮られて光が見えない状態のことを指している。
777☆Sはずっと光だったのに、ある日突然陰になり得る存在なのだろうか?
エピソード4.0読む前ならそんな事あり得ないって言い放つ事が出来ただろうが
AXiSの存在が露わになって以降、あり得ない話ではない。

つまるところ、AXiSが陽となり
777☆Sが陰へと追いやられた。
と解釈するのが妥当だろう。


しかし、この陰がアイドルとは違う別の私。素の私。陰の私。
という解釈も出来る。
つまり、アイドルという姿から解き放って、シスターズから普通の女の子になる。
だとしたら
引退して、もう「あなた」と会えなくなって夏が来た。
それでも私は歩いていく。
あなたのいない夏の続きを。

5.まとめ

色々語って来たが、この夏陰は「あなた」へとさよならをする別れの曲だと思う。
もう、戻れない日々を懐かしく思い出し想いを馳せ、普通に戻った彼女達は「あなた」のいない夏をずっと、これからも過ごしていく。
ひどく、重苦しいが
ずっと、背中を押して来た彼女達シスターズが、やっと普通になれたと考えたなら
救いはある。

エンディングテーマだが、これで幕引きとは考え難い。あくまで、エピソード4.0のエンディングテーマであってナナシス全体的なエンディングテーマとは言及されていない。
出来る事なら、Star☆Glitterのような元気で明るい曲を真のエンディングにして欲しい。

ナナシスの根底にあるテーマ
「ねぇ、君は何がしたい?」
これだけが絶対に変わらなければ
エンディングは絶対的に明るいエンディングになるはずだと私は信じている。